今日は”後縦靭帯骨化症”というあまり聞き慣れない疾患を説明してきます。
後縦靭帯骨化症は首(頸椎)~腰の骨(腰椎)で発生するのですが、首の骨(頸椎)でおこることが多いので首の疾患に入れさせていただきました。
この記事を読むことで後縦靭帯骨化症についてわかります。
では、さっそく説明していきます。
後縦靭帯骨化症とは?
後縦靭帯骨化症とは脊椎を連結する靭帯がいくつかあります。
図に書いてあるように、骨の後ろを繋げている靭帯が”後縦靭帯”です。
この後縦靭帯が肥厚(分厚くなる)と骨化によって脊髄が圧迫され、脊髄症状がでるというものです。
中高年に多く特に頸椎に好発し
原因は不明だが、肥満や負担の増加、遺伝的素因が元になって生じると言われています。
この遺伝的素因では代謝異常やコラーゲン遺伝子、ホルモンなどの異常が関係あるんじゃないかとも言われています。
僕たちはよくOPLLと言っていますが、これは(Ossification of Posterior Longitudinal Ligament )の略で後縦靭帯骨化症の事をOPLLと言います。
現在、厚生労働省の難治性疾患の1つに指定されています。
後縦靭帯骨化症の症状
後縦靭帯骨化症の症状は頸椎で起こった場合
頸部の痛み、手のシビレや痛み、感覚障害、手の運動障害、下肢の運動障害、歩行障害、膀胱直腸障害などがあります。
胸椎から腰椎で起こった場合は
下肢のシビレや痛み、下肢の感覚障害、下肢の運動障害、歩行障害、膀胱直腸障害などがあります。
後縦靭帯骨化症の診断
後縦靭帯骨化症の診断は基本的にレントゲンで診断されます。
レントゲンで難しい場合はCTで確定診断されることが多いです。
脊髄の圧迫度合いを見る為にMRIをおこなうこともあります。
レントゲンでは骨化している部分がみられます。
後縦靭帯骨化症の治療
難治性疾患の為治療は確立させていませんが
痛みや痺れなど軽度の場合は投薬、装具固定、温熱療法や電気療法などの保存療法(手術をしない)がおこなわれます。
保存療法で効果が出なかったり、脊髄症状が強くなってくる場合は手術適応となります。
後縦靭帯骨化症は症状の具合によって治療が変わってきます。
軽度な場合は整骨院での施術も可能ですが、必ず医療機関を受診して医師に相談をして下さい。
治療は手技施術よりも鍼やお灸などは症状を緩和することもあります。
矯正やカイロプラクティックなどボキボキするような施術は症状を悪化させる可能性が高く危険です。
必ず医師の診断を受け、指示に従うよにしてください。
最後に・・・・・
後縦靭帯骨化症は症状や状態によって治療法が変わってきます。
保存療法で症状が寛解できれば良いですが、脊髄症状が出て日常生活が不便になった時には手術も考慮しなくてはいけないせん。
日常生活に支障をきたすような運動障害を生じた場合には難病医療費等助成事業の対象になります。
難治性疾患にしていされているので、治療は長期になることもありますが、研究が進み治療法が確立するのもそう遠くないのかなと思います。
症状が軽度であっても必ず専門医に診てもらうようにしましょう。